フランスの保育
フランスといえば、料理や芸術などおしゃれで華やかなイメージがありますよね。
ですが、そんなフランスが先進国の中でもトップクラスの出生率を誇り、保育事業や幼児教育に力を入れていると知っている方はそう多くないのではないでしょうか?
今回は、そんなフランスの保育事情について詳しくご紹介します!
とにかく保護者目線!フランス保育の考え方
フランスでは、保育園は「保護者が仕事と家庭を両立させるための支援をする場所」だという保護者主体の考え方が一般的です。
日本は「子どもを預かってもらう場所」という子ども主体の考え方ですが、同じようで大きく異なることがお分かり頂けるでしょうか。
フランスの保育園では、保護者に負担がないようにさまざまな決まりがあります。
まず、保育園生活で必要になるオムツやタオルなどの日用品は、保育園が用意するのが当たり前。
保育料に備品用のお金も含まれているので、保護者が用意しなくてもいいんです。連絡帳もなく、子どもに関する情報共有は基本口頭で行われるため、送り迎えは手ぶらで大丈夫なんだとか。
フランスの保育園は、基本的に登園と退園の時間が自由になっています。
これは、出来るだけ多くの家庭のライフスタイルに対応するためです。その代わりに延長保育がない保育園も多いですが、フランスでは大体の労働者が定時に仕事を終えるので問題にはなりません。
プライベートの時間を大切にするフランスならではの保育といえますね。
フランスでは、保育園に預ける以外にも種類豊富なサービスが存在します。
職業では、
○自宅で4人以下の子供を預かる小規模保育士「アシスタント・マテルネル」
○保護者の留守中にその家で保育をする個人ベビーシッター
施設では、
○アシスタント・マテルネルの自宅で預かり、週に何回か家庭型保育園に集まる「クレッシュ・ファミリアル」
○保育士を雇い保護者たちで運営する親参加型保育園
○市町村の運営する一時託児所「アルト・ギャルドリー」
など、それぞれの家庭に合った保育を依頼することができます。
保育費無料!だけど厳しい?フランスの「保育学校」とは
さて、ここまでは保育園事情を中心にご紹介しましたが、保育園を卒園したあとの幼児教育についてもお話していきたいと思います。
フランスには、日本で言う幼稚園に近い施設、「保育学校」があります。
公立の保育学校は保育費が無料で、街中にたくさん存在するため申し込めばすぐ入学することができます。
教材や文房具は学校側が用意するので、保育園と同じく手ぶらでOK。
無条件で教育を受けられる環境が当たり前にあることからも、フランスにおいて幼児教育が浸透していることが伺えます。
フランスの保育学校は、日本の幼稚園に比べて「教育」の側面が強いことが特徴です。
年中組になると成績表での評価が始まり、なんと落第や飛び級もあるそうです。
もちろん、落第しないようにしっかりと教育を行っているので、小学校に入る頃にはほとんどの子がお行儀よく授業を受けることができるようになります。
フランス発祥の「フレネ教育」って?
フランスの幼児教育で広く取り入れられているのが、フランスの教師であるセレスタン・フレネによって考えられた教育メソッド、「フレネ教育」です。フレネ教育は、大人からの押しつけを捨て、子どもたちの自由な発想・表現をもとに学習していくことで、子どもの自主性や積極性を磨くという教育法のひとつ。さまざまなルールを自分たちで決めたり、子どもたちが書いた作文を教科書にしたりと、子どもたちのペースで学んでいけることが特徴です。
まとめ
今回はフランスの保育の実態についてお話ししていきました。
保護者の権利を手厚く守る制度が整っており、子どもを早期からキッチリ教育していくという独特のスタイルは私たちの保育と大きく異なるものですが、見習って行きたい側面も多々あるのではないでしょうか?